嫌う勇気
過去、私の中で長崎大ブームが来て9回も旅行した
あちこち巡り、あらゆる物を食べて、この街の何もかもが好きだわ〜♡って幸せに浸っていたが、唯一好きになれない長崎の物があった
カステラである
長崎でお菓子といえばカステラだ
お祝いの時、お祭りの時、行事の時
長崎において神様から人間まで贈られ食べられるものそれがカステラ
長崎のケーキのスポンジは実はカステラでできている
アイスをカステラで挟んでみる
揚げてラスクにしてみる
ドリンクにしてみる
ぬいぐるみにしてみる
平戸市にはかつて門外不出であったカスドースという、カステラに砂糖をまぶした幻のお菓子がある
とにかく長崎にいる限りカステラから逃れることはできない
私がカステラ嫌いなのは、本当においしいカステラに出会っていないからだと思っていた
だから長崎にならおいしい!と感じるカステラがあると信じ、色んなお店のカステラを食べ歩いた
だがどーしてもカステラを好きになれなかった
砂糖のかたまりのごたる甘さばい
そして9回目の旅行の時地元の人に、どこかに私がおいしいと感じるカステラがあるはずという話をしたらこう言われた「いや〜やっぱりカステラはどこまでいってもカステラだから…汗」
ショックだった
カステラを好きになる可能性をずっと模索していたが、私の思い込みだった
私はカステラが嫌いということを受け入れなければならなかった
ちなみにそれ以降長崎に行っていないのはそのカステラショックのためではない(普通に行き過ぎて飽きた)
食べ物に限らず嫌いという感情を感じるのが下手なのかもしれない
人の場合、誰しも善と悪の顔があり、どんなに周りから嫌われている人であっても善の部分を垣間見ると、ほらこの人にも良いとこあんじゃんと嫌いになりきれなかった
ただ単に苦手な人という認識になる程度
そんな私を見て職場の人らに「もっと嫌いとか文句を出してった方がいいよ」と何度かアドバイスされた
そんなに簡単に人って嫌えるもんなんだろうか
平和主義すぎると言われようとも、私にはその感覚がよくわからなかった
だがしかし、今日初めてコイツ嫌いだわと認めることができた
彼は会社の先輩で、年下の男性なのに姑みたく注意してくる人だなぁと感じていた
どんどん叱責は酷くなっていき、怒られることに耐性のない私はひたすら謝るばかり
だが今朝の、今までで1番の叱責で吹っ切れた
もしかしたら嫌いだという感情を思い出させるためにこの人は怒ってるんじゃないかと思えるくらい、嫌いだと認めたらスッキリした
今までこういう時、私はどうしたらよかったんだろう、次どうしたら怒られないだろうととにかく自分の中に原因を探し、改善しようとした
もっと楽になるために努力しているつもりだったが逆効果、悩みは深まるばかり
でも解決方法はもっと簡単だった
自分の気持ち、感情を認めるだけだった
なぁーんだ、あっはっは
ネガティブなことは良くないなんて風潮もあるが、風潮なんかよりももっと自分の素直さに従って生きていきたい